

元銀行員のきたしょー(@KitamuraShohei)です。
お金とはなんですか?
と聞かれてあなたは即答できますか?
ぼくたちは毎日コンビニで買い物をしてお金を使っていますが、「お金の本質」について理解している日本人は非常に少ないです。
お金のことをよく知らないのに「貯金はいくら?」「初任給はいくら?」「年収はどのくらい?」とみんなお金のことばかり気にするのはなんだかおかしいですよね。
本記事では、日本の学校では教えてくれないお金の成り立ちやお金の本質を元銀行員のぼくが丁寧に解説していきます。
お金にゆとりのある生活を送るためにもまずはお金について理解を深めることから始めましょう。
お金が存在しない時代は物々交換をしていた


いまではお金はあって当たり前ですが、お金という概念が存在しない大昔は人々は物々交換をしていたと言われています。
例えば、野菜を作るのが得意な人は農家になり、野菜が欲しい人に作った野菜を渡して、それと引き換えに、魚釣りが得意な人から魚をもらったり、狩りが得意な人から肉をもらっていました。
大昔の人々は経済圏が小さい村や町単位で生活していたため、肉と野菜を交換するような物々交換でも十分に生活していくことができました。
しかし、文明の発達と共に経済圏が大きくなるにつれて、徐々に物々交換が成り立たなくなっていったんです。
なぜなら、狩りが得意な人が「今日は魚が食べたい」と思ったとしても、魚を持っている人がその日に「肉を食べたい」とピッタリ思っているとは限らないからです。
早く肉や魚を交換してくれる相手を見つけないと、せっかくの食料が傷んでしまいますよね。
人口増加と共に経済規模が大きくなるにつれて、交換してくれる相手が見つからない物々交換のデメリットが浮き彫りになっていきました。
ついにお金という概念が生まれる


経済圏が大きくなると、自分の持っているモノと交換できる自分が欲しいモノを持っている相手を探すことが大変になります。
肉を持っている魚が欲しい人と魚を持っている肉を欲しい人が出会うのは難しくなってきたわけですね。
そこで、当時の人々が考え出したのが「お金」です。
お金の発明によりモノをお金に換えて、いつでもお金と好きなモノを交換できるようになりました。
モノの価値に数値をつけて、それをお金と交換できるようにすることで、「交換」と「保存」ができるようになったんですね。
人々は自分の持っているモノを人々に売ってお金に換え、その得たお金で今度は自分の欲しいモノを買うようになりました。
さらには、お金を貯めておくことで、「将来なにを買おうかな?」という保存の効果も手に入れたんです。
お金の登場で現代のような便利な世の中になりました。
お金のおかげで人々は欲しいモノを手に入れやすくなったし、より豊かに暮らせるようになったんですね。
ここで重要なポイントとして、元々自分が作り出した価値以上のモノを手に入れられるわけではないということです。
自分の提供する価値と同じ価値分のお金にしか交換できないのがお金なんですね。
- 価値交換のための道具
- 自分が作った信用を表す道具
金融という概念の誕生


お金が生まれたばかりの頃はお金は世界中で価値の変動が少ない「金・銀・銅」で作られていました。
お金を使ってモノを買うときは「金・銀・銅」などの硬貨を使っていたんですが、「金・銀・銅」で作られた硬貨は重くて持ち運びにくいという欠点があったんです。
わざわざ重い硬貨を持ち歩くのは不便なので、人々は使わないお金は家に保管しておくようになりました。
ですが、家にお金を置いておくとだれかに盗まれる可能性がありますよね。
この盗難リスクを回避するために生まれたのが「金庫屋」です。
人々は硬貨を金庫屋に預ける代わりに、預かり証を発行してもらいました。
それまでは重い硬貨で取引をしていましたが、預かり証を「紙幣」として取引するようになったんです。
そこで金庫屋は、人々から預かった貨幣を貸し出す「金融業」を始めました。
つまり、人々は金庫屋から利息付きでお金を借りるようになったんです。
この「貸し借り」の仕組みができたおかげで、狩りをする人が「この銃を買うためにお金を借りるけど、獲った肉を売ったらお金は返しますね」という先行投資ができるようになったんですね。
ここで、さらに「投資」という概念が生まれました。
お金を預かって、それを企業や個人に貸し出す、まさに現代の銀行のようなものです。
銀行は人から預かったお金を貸し出すので、元手がかからずにとても儲かりました。
しかし、ここでひとつ問題が発生しました。
紙幣を多く刷ると物価が上がってしまうんです。
お金が多くなると、世の中に出回るお金の絶対量が増えるのでお金の価値がモノ価値に対して相対的に下がるんですよね。
借りた人々は利息の支払いと物価上昇でちゃんと価値を提供しないとどんどん貧しくなる構造ができました。
そこで、物価が上下しすぎないように紙幣を刷る枚数を決める必要が出てきたわけですね。
この仕組みを全世界で展開するのが、現在の「中央銀行」です。
お金は信用で成り立っている


現在発行されている紙幣は中央銀行が発行しています。
日本で言えば、日本銀行ですよね。
そして、いまの紙幣は「信用貨幣」と呼ばれています。
昔は、金と交換できる金本位制度でしたが、いまは違うんですよね。
「信用貨幣」とはみんなが「このお札には1万円の価値がある」と信じているから成り立っているというもの。
逆に言うと、みんなが「これはただの紙切れ」と思えば、ただの紙切れになってしまうんです。
つまり、お金は信用で成り立っており、信用を数値化したものなんですね。
お金は価値交換のための道具にすぎない


お金の本質と成り立ちについて理解は深まりましたでしょうか?
つまり、お金はただの価値交換の道具でしかないということです。
ほとんどの日本人がお金について勉強してないので、「お金=すごいもの」とぼんやりとしたイメージしか持ってません。
「お金持ちは悪いことをしている」「お金さえあればいい」「人の前でお金の話をしてはいけない」などお金に対してネガティブなイメージを持っている人が多いですよね。
しかし、本当はそうではありません。
お金は人間が自由に暮らすための価値交換の道具にすぎないのです。
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お金を稼ぐことについて分かりやすく解説した記事はこちらです。