【体験談】結婚詐欺で抱えた借金370万円を任意整理した30代女性の話。

私が結婚詐欺の被害に遭ったのは2010年、いまからちょうど９年前の25歳のときでした。

当時流行っていたミクシィ(mixi)で全く知らない男性からいきなりメッセージが来たんです。

「犬を飼っている友達が『東京に引っ越したい』と言っていて、ペットが住めるマンションを探しているんですけど、どこか知りませんか？」って。

そしたら、「ありがとうございます〜！Sさんは優しいですね！いまどこに住んでるんですか？」みたいな感じで返信が来たんです。

それ以来、

• おれは飲食店でバイトしてるんだよ〜！
• 今度東京に行くんだけど、オススメの居酒屋を知らない？
• この写真の一番右端に写ってるのがおれだよ！

こんな感じでプライベートの話までするようになりました。

とある日、いつものように電話していたら、

「バイト先の店長と喧嘩してクビになってしまった・・・。

どうしよう！？収入がなくなってしまう！！！

しかも、おれは前からクレジットカードが作れなくてキャッシングとかローンの借り入れもできないんだよね。

あとでちゃんと返すからさ、おれの代わりにクレジットカードを作ってお金を借りてくれないかな？」

と言われたんです。

でも、当時の私は本当にバカで未熟者だったので、「彼のためにお金を借りなきゃ！」と思ってしまったんです。

彼にはまだ一回も会ったことないにも関わらず、彼に言われるがまま自分名義のカードを２〜３枚作って、彼の自宅に郵送してしまいました。

最初の頃は、彼はカードを利用した分のお金を返済日に合わせて私の口座に振り込んでくれていたので、「いずれちゃんと返ってくるだろう」と信じていました。

しかし、それからしばらくして、

「消費者金融で働いている友達から聞いた情報だから間違いないんだけど、カードの名義は後で変えられるから、またカードを作っておれの自宅に郵送してくれないかな？」

と言われたんです。

どうしてもカードが作りたくて、「本物のヤクザなんじゃないか？」と思うほどの従業員がいるヤバめの消費者金融にも行きましたね。

結局、私のカードは彼に限度額ギリギリまで使われていたので、そこではカードは作れませんでしたけど。

従順な私は彼の依頼通り、消費者金融で限度額30万円ほどのカードを３枚作って、またしても彼の自宅に郵送してしまいました。

それ以来、彼がカードを利用する金額が３万円、５万円、10万円と徐々に上がっていきました。

そして、ついにカード限度額一杯まで利用されて、毎月の返済分のお金も私の口座に振り込まれなくなったんです。

私は自分で作ったカードで１円も使ってないのに、毎月返済だけするという訳の分からない状況に陥っていました。

こんな状態にも関わらず、最後の最後に彼から、「これから結婚するためにお金が必要だから、親に200万円借りて欲しい！」と言われたんです。

父から200万円借りるために実家に帰って、父と一緒に近くの銀行まで行って200万円振り込みました。

ここまで来るともう金銭感覚が麻痺してきて、なぜ彼にお金を貸しているのかよく分からなくなってくるんですよね。

見た目もイケメンバンドマンのような理想的な男性だったので、余計本気になっていたんですよね。

「このままではマジで自己破産する・・・」と思った私は彼と結婚するために370万円も借金してしまったことを1,000万円ほど借金抱えている友達に打ち明けることにしました。

その一言で「私は結婚詐欺の被害に遭っていたんだ！」とようやく気が付いたのです。

私は貸したお金だけは絶対に返してもらいたかったので、彼を東京に呼び出して借用書を書いてもらうことにしました。

東京までの交通費はなぜか私が出すというクズ男具合いでしたね。

完全に逃げられました。

「よし！こうなったら彼の居場所を突き止めよう！」と思って、彼の住所地を調べることにしました。

結果的には、「該当者は見当たりません」と返答があったので、もうゲームオーバーだと思いました。

これにて彼の名前は偽名であり、知らされていた住所は嘘であることが判明しましたね。

借金を返済してもほぼ利息しか支払えてなかったので、返しても返しても借金はほとんど減りませんでしたね。

しかも、彼にカードを渡していたので、借金を返済するために借金することもできず、どうしようもない状況でした。

毎月７万５千円の家賃も途中で支払えなくなり、３ヶ月滞納した結果、大家さんに家を追い出されるくらい困窮していました。

いつも財布には数百円しかなくて、１週間米だけで生活したり、バイトに行くための交通費が足りなくて、渋谷から上野まで２〜３時間かけて歩いて通勤したりもしましたね。

だから、カード会社から督促電話が毎日かかってきてましたよね。

最初の頃は督促電話に出て「５日までには振り込みます！」と答えてちゃんと返済してました。

だけど、途中から面倒臭くなってきて無視してたら、会社に電話がかかってくるようになったんですよ。

私に電話が取り次がれたあと、「カード会社のレイクです。Sさんでお間違いないでしょうか？」という風に聞かれます。

当時は毎日カード会社から電話がかかってきて、家にもカード会社から督促の書類が届いていたので、精神的にもかなり追い詰められていました。

だけど、警察からは「事件性に乏しいので、現時点では刑事事件として捜査することはできない」と一蹴されました。

警察は基本的に民事不介入なのでいくら本物の結婚詐欺師に騙されても関与できないケースが多いです。

結婚の約束を破棄されても結婚詐欺には当たらないですよね〜？

結婚詐欺を詐欺罪として立証するためには「最初から騙すために付き合った」という証拠が必要なので、男女関係の事件は非常に証明しにくいんですよね。

そしたら、「民事事件として取り組めるかもしれないから、弁護士事務所に行ってみたら？」とアドバイスをくれました。

「結婚詐欺の明確な証拠がないままに、民事訴訟を起こしてしまうと、逆に名誉毀損で訴えられる可能性があるから、現状の証拠だけでは民事訴訟は起こさない方がいい」とのことでした。

そして、民事訴訟を起こすためには以下の情報も必要です。

そしたら、弁護士から、

「今回のケースは証拠不足で相手を訴えることができないので、残念ながら貸したお金はもう戻って来ません。

いまは精神的に辛いと思いますが、頑張って気持ちを切り替えて、借金を減らすために任意整理を検討してみませんか？」

と言われたんです。

任意整理の詳細を聞くと、「ブラックリストに載ってクレジットカードは作れなくなるけど、借金の返済額は半分くらいになりますよ」と言われたので、任意整理すると即決しました。

もはや借金どころか家賃すら支払えずに家を追い出されてしまうほどの貧困状態だったので、「もう任意整理するしかない！」と藁にもすがる思いで任意整理を決断しましたね。

任意整理は債権者の都合次第で断られることもあるんですよ。

司法書士・弁護士側には守秘義務があり、他人に口外はできないので絶対にバレませんよ。

私は親が保証人に入っている奨学金の返済が遅れていたので、奨学金の返済が遅れていることは親にバレてましたが、任意整理のことはいまでもだれもにバレてません。

実家暮らしの方は郵送物を司法書士・弁護士事務所に郵送することができるので、郵送物で家族にバレる心配は不要ですよ。

常に借金から追われている感覚から解放されて肩の荷が下りました。

任意整理のおかげで借金の現状把握もできたので、「あとはコツコツ返済するだけだ！」と前向きな気持ちにもなれましたね。

ですが、クレジットカードは審査不要のデビットカードで代用できるので特に問題はないですね。

毎月10万円はネットビジネスで稼いでました。

とにかく生活費や借金の返済原資を稼ぐ必要があったので、当時はめちゃくちゃ必死に生きていましたね。

まずは信頼できる友人でもいいですし、専門家の司法書士・弁護士でも構いません。

とにかく早めに相談することが大事です。

借金していると「自分はダメな奴だなぁ」と自分で自分を追い詰めてしまいがちですけど、実はあなたが思っている以上に周りには借金している人がたくさんいます。

日本には年間300〜500万人もの人が任意整理していると言われています。

ですが、任意整理はだれにもバレないので、こんなにもたくさんの日本人が任意整理している事実はほとんどの人が知りません。

だから、借金している自分を責める必要もないんですよね。

日本人の20人に1人は毎年任意整理しているんですから。

何度も繰り返しますが、「借金が苦しいなぁ」と感じたら、すぐに信頼できる人に相談してください。

仲良い友達でもいいし、専門家の弁護士・司法書士でもいいので、とにかく早めに相談すること。

だれかに相談するだけで借金に追い詰められている気持ちがものすごく楽になります。

手続きが簡単に終わる任意整理であれば、だれにもバレることなく自己完結できるので、ぜひこの機会に勇気を持って行動してみてください。

あと、変な男には気をつけてください・・・。