こんにちは。
マイナス30℃の真冬のモンゴル初体験のきたしょー(@KitamuraShohei)です。
あ、初っ端からダサい格好ですみません。笑
モンゴルレザーブランドHushTug(ハッシュタグ)の本革レザー製品はどうやって作られて日本まで届いているのだろう?
そう疑問に思ったぼくはHushTugの製作現場の裏側を徹底調査するべくモンゴルに乗り込んできました。
- アパレルブランドをゼロから立ち上げる難しさ
- 日本とはほぼ無縁のモンゴルという地での苦悩
- レザー製品を手作りする過程
HushTug代表の戸田(@HushTug_toda )さんや従業員の方々と約1週間ほど生活を共にしてきました。
アパレルブランドやモンゴルに興味のある方はぜひ読んでみてください。
モンゴルレザーブランドHushTug(ハッシュタグ)とは?
「モンゴルに産業を創り社会問題を解決する」
という理念のもと、2017年11月にモンゴルレザーブランドHushTugは立ち上げられました。
「本革製品が欲しいけど値段が高い、でも合皮は安っぽいよな…」
HushTug代表の戸田さんは高級感のあるレザーバックを買いたくても高すぎて気軽に買えないもどかしさを感じていました。
このような経験から、
「上質で高級感のあるレザー製品をもっと身近に、もっと気軽に買えるようにできれば、お客様に喜んでもらえるのではないか?」
と考えた戸田さんは「上質な本革バックを1万円台で提供する」というコンセプトに辿り着きました。
HushTugのレザー製品はモンゴルの大自然で育った100%オーガニックの革を使用し、現地モンゴルの工房で製作することでモンゴルの雇用拡大を促進することができます。
このようにHushTugはモンゴルに新たな産業をもたらすだけでなく、環境問題や貧困などの社会的問題を解決する側面も合わせ持つファッションブランドです。
HushTug(ハッシュタグ)レザー製品の製作現場に潜入!
HushTugのレザー製品はなんとぜーんぶ手作り。
日本人の従業員さんやモンゴルの職人さんたちが本革をひとつひとつ丁寧に縫い付けています。
資材を仕入れてからレザー製品が完成するまでの流れを画像付きでまとめましたのでぜひご覧ください。
1:革工場に革を仕入れに行く
ぼくがモンゴルに到着してまず向かったのはHushTugのお取引先の革工場です。
最高技術責任者の川田さん、通訳のハリちゃん(モンゴル人女性)、ハンガイ(モンゴル人の運転手)、ぼくの4名で訪問しました。
革工場の中はこんな感じ。
実際にレザー製品に使用できるかどうか最高技術責任者の川田さんが自ら革の品質をチェックします。
革の品質チェックと仕入れ枚数が決まったら、その場でお支払いをします。
通訳のハリちゃんがお取引先のおばちゃんと15分ほど電卓で総支払額を計算していました。
2:仕入れた革を車で工房まで運ぶ
で、ここからが驚きなんですが、革工場で仕入れた革を自分たちの車で工房まで運ぶんです。
モンゴルではクロネコヤマトのような運送会社がないので、国内の物流に関しては全部自分たちの手で行わなければなりません。
しかも、平日のウランバートルの道路はめちゃくちゃ混むので、ちょっと移動するだけで1時間以上かかったりして本当に大変なんですよね。
今回は運転手のハンガイが革工場で仕入れた革を車のトランクに乗せて工房まで運んでくれました。
3:約700㎞離れた中国の二連(えれん)に資材を仕入れに行く
月に1回、モンゴルのウランバートルから南東に約700㎞離れた中国の二連に資材を調達に行きます。
今回はぼくがモンゴルに滞在する日と二連に行く日がたまたま被ったので同行させてもらいました。
夜中の1時に車で出発進行〜!
このように道中はなにもありません。
大草原に一本だけ道路が通っています。アメリカの映画で出てくるようなまさにあんな感じです!笑
たまに羊の群れが道路を横断します。笑
道中に飲食店や休憩所はないので、トイレに行きたくなったら、大草原に向かって放出するか、たまにあるこんな感じのトイレで用を足します。
そして、出発から12時間後、ようやく中国の二連に到着しました。
二連には衣類、靴、家電製品、文房具などの様々な資材が売っている市場があります。
イメージは日本のショッピングセンターですね。
レザー製品に使用できるものがないか物色します。
二連の夜はものすごくきれいでした。
ちなみに気温はマイナス20℃台で凍てつく寒さでしたね。
4:工房でレザー製品を製作する
材料となる革を仕入れたら、工房でレザー製品を製作します。
HushTugの社宅から工房までは片道約30分かかるのですが、HushTug代表の戸田さん含む社員のみなさんは毎日歩いて通勤しているんですよ。
こちらが工房です。
最高技術責任者の川田さん自ら本革トートバックを作っています。
こちらの別室ではオユナーさん(モンゴル人の職人)がお仕事中。
最高技術責任者の川田さんがモンゴル人の職人さんたちに指示を出しています。
HushTugのメンバーはみんな仲が良いので、工房では気軽に話し合える雰囲気が出来上がっています。楽しそうですね。
なんと通訳のハリちゃんもレザー製品を作っているんです。笑
工房ではいつも職人さんたちの笑顔で溢れています。
ちなみに、いまオユナーさんが持っているのはYKKのファスナーで日本製なんですよ。
こちらは持ち手をつける前の本革トートバック。
職人さんの手で持ち手をペタペタと取り付けていきます。
そして、持ち手をミシンで縫い付けます。
これにて完成(ドンッ)!!!
このような流れで本革トートバックは作られてモンゴルから日本にやってきます。
こちらは今後新たに発売予定のビジネスバックです。宣伝宣伝〜!!!
こんな感じでHushTugのレザー製品は本当にぜーんぶ手作りなんです。
HushTugは現地モンゴルの職人さんたちの愛情がたっぷり注がれているレザーブランドなんですよ。
最高技術責任者の川田さんにHushTug(ハッシュタグ)の裏側を聞いてみた
2018年4月からモンゴルに滞在してHushTugのレザー製品の製作に携わり続けているのが最高技術責任者の川田(@HushTug_kawata )さん。
川田さんは全くのレザー製品作り未経験者で、この度HushTugを立ち上げるにあたり、日本で数少ないレザー教室に約2ヶ月間通ったそうです。
革のすき技術、芯材の入れ方、コバの磨き方、接着剤の使い方などを学んだり、日本の革工場を訪問してモンゴル革と日本革の違いも学びました。
そんな川田さんにHushTugの裏側について聞いてみました。
質問1:モンゴルではどのようなお仕事をされているんですか?
きたしょー
川田さん
きたしょー
川田さん
ぼくはHushTugの生産、管理、資材の調達、輸出書類の準備、レザー製品の製作などモンゴルでのHushTug事業に関わることは全て行っているんですよ。
きたしょー
本当に本当に本当に最高技術責任者自らレザー製品を作ってるんですか?
川田さん
毎日片道30分かけて工房まで歩いて行って、モンゴルの職人さんたちと一緒にレザー製品を作っています。
ちなみに、通訳のハリちゃんもレザー製品の製作を手伝ってもらっています。もはや通訳というか革職人ですね。笑
質問2:モンゴルでお仕事をするうえで大変なことはありますか?
きたしょー
川田さん
きたしょー
川田さん
きたしょー
川田さん
日本で分からないことがあったらインターネットで検索すればおおよその情報を入手できるじゃないですか?
でも、モンゴルでは知りたいことをインターネットで検索しても出てこないんです。笑
レザー製品に使用される革をどこで調達すればいいか分からないし、運良く仕入れ先を見つけたとしても価格が適正かどうかも分からない。
HushTugは本当になにもかもがゼロからのスタートでした。
モンゴルに来た当初はレザー製品に使用する資材を調達する取引先や市場を探すことから始めました。
そして、取引先を見つけたら資材の価格が適正かどうか他店と比較します。
本来なら安く買えるのに市場価格を知らないがために高値買いするのはもったいないですからね。
でも、モンゴルではインターネットで価格を比較できないので、他店に訪問して価格を比較している間に前の店で見つけた資材の在庫がなくなったりするんですよね。
このようにモンゴルでは全てがアナログなんです。
きたしょー
川田さん
しかも、モンゴルは発展途上国でインフラの整備が遅れているので車の渋滞が深刻なんです。
モンゴルには、「車より早く着きたいなら歩け」っていう言葉があるくらいですよ。
きたしょー
川田さん
質問3:モンゴル人と一緒にお仕事をするうえで大変なことはありますか?
きたしょー
川田さん
あと、時間にもルーズかな。集合時間に1時間以上遅れてくることは当たり前だし、仕事の期日も守れないことが多々あります。
性格面でいうと、喜怒哀楽が激しい人が多いです。いきなり怒ったかと思えば、次の瞬間には機嫌が直っているみたいな。笑
きたしょー
質問4:モンゴル人と一緒にお仕事をするうえで楽しいことはありますか?
きたしょー
川田さん
最初は仲良くなるまでに時間がかかるんですが、一度仲良くなったら家族のように接してくれますよ。
きたしょー
質問5:モンゴルでの生活はぶっちゃけどうですか?
きたしょー
川田さん
夏は大草原・大自然の中でお酒を飲むのがすごく楽しいです。日本では体験できないスケールの大自然なので非日常体験ができます。
ただし、冬は大気汚染が深刻化するので体調面が少し心配になりますね。
きたしょー
HushTug(ハッシュタグ)はモンゴルの子供保護施設に売上の一部を寄付している
HushTugがクラウドファンディングで得た売上の一部を寄付するということで、とある孤児院を訪問しました。
この孤児院では親から虐待を受けたり、育児放棄をされた子供たちが50人くらい生活していて、なんと寄付だけで成り立っています。
支援をしてくれないモンゴル政府を見兼ねた代表のテルメンさんがたった5ヶ月で6,500万円の支援金を集めてこの孤児院を作り上げたんですね。
テルメンさんの志に強く共感したHushTug代表の戸田さんはHushTugの売上の1%を寄付する約束をして、本日無事にクラウドファンディングの売上の1%を寄付することができました。
先ほど約束通りクラファンの売上(約280万円)の1%を寄付してきた。事業を成長させることで力になれる範囲が拡大し豊かに出来る人を増やすことが出来ると体感できた。
10月に初めて出会い、違う形でモンゴルを良くしようと戦っている人たちに対してHushTugとして関わることが出来て本当に嬉しい。 https://t.co/HtCMimbv70
— 戸田たかひさ🇲🇳モンゴル起業 (@HushTug_toda) 2018年12月7日
※上記ツイートの子供保護施設の代表者は「テムレンさん」ではなく正しくは「テルメンさん」ですm(_ _)m
モンゴルでHushTug(ハッシュタグ)に密着取材して感じたこと
モンゴルでのアパレルブランド立ち上げは想像以上にアナログで正直ビックリしました。
レザー製品に使用する資材や革の仕入れ、レザー製品の製作、レザー製品の運送などすべて自分たちの手で行っているんです。
さらに、モンゴルは日本語が通じないし、簡単な日常英会話ができるモンゴル人も少ないから本当に大変。
激しい経済格差、政治汚職がひどく賄賂が当たり前の状況、PM2.5の80倍の大気汚染などの社会問題も深刻な状況なんです。
実際にぼくも目の前に霧がかかり悪臭漂う大気汚染を目の当たりにしたときにはさすがに驚きを隠せませんでした。
「モンゴルで事業を立ち上げるには障害が多すぎるよな〜」とモンゴルに行って早々に思いました。
そんな中、HushTug代表の戸田さんは「モンゴルに産業を創り社会問題を解決する!」という想いを胸にモンゴルに乗り込んでHushTugを立ち上げたんです。
日本語が話せる起業家さん、レザー製品に詳しい職人さん、日本語が話せるエンジニアさんなど、現地に行ってからモンゴル人の協力者たちをどんどん仲間にしていきました。
毎日パソコンに向かってブログを書いているぼくからしたら、「どんだけ無謀なことをしているんだ」という感じです。
まさにONE PIECEのルフィが「海賊王におれはなる!」と宣言して、一人で船旅を始めてゾロやウソップたちを仲間にしていくようなイメージですよ。
HushTugがゼロからここまで来れたのは、代表の戸田さんが「モンゴルに産業を創り社会問題を解決する!」という絶対に折れない志があったからです。
どんな障害にぶつかっても諦めなかったおかげで、いまでは本革トートバックを日本で販売するところまで来ています。
HushTugは世間一般的にはまだまだ認知度が低いかもしれませんが、きっとこの先モンゴルレザーを日本のみならず世界を相手に販売する企業に成長するとぼくは確信しています。
がんばれ、HushTug!!!
HushTug(ハッシュタグ)のレザー製品を一度手にとってみてはいかがでしょうか?
写真を見て分かる通り、HushTugで働いている日本人とモンゴル人は本当に仲が良いです。
レザー製品を製作する工房ではいつも笑いが起きているし、言葉は通じなくても身振り手振りでなんとかなるし、なにより心が通じ合っています。
HushTugのレザー製品はすべて手作りでモンゴルの職人さんたちの愛情がたっぷり詰まっています。
ぜひ、この機会にモンゴルで働くHushTugのメンバーや職人さんたちの熱い想いがこもったレザー製品を手にとってみてはいかがでしょうか?
▼HushTugの公式サイトはこちら▼
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